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2396話

十五分ほど辛抱強く待つと、一組の男女が出てきた。王鉄蛋は二人が路傍の小型車に乗り込もうとするのを見て、急いで胡珊珊に目配せした。

胡珊珊は駆け寄ると、女性の肩をトントンと叩き、声をかけた。「お姉さん!」

女性は振り向き、怪訝そうに彼女を見た。

「お姉さん、ちょっとお邪魔して、あなたはあのバーのオーナーですか?」

その女性は三十歳過ぎといったところで、可愛い女の子に「お姉さん」と呼ばれて機嫌が良くなったようだ。「そうよ、何かご用?」

「ある人のことを聞きたくて。その人はあなたのバーで働いていると思うんです」

「名前は?」

「黄洋という人です」

「確かにそういう人はいたわ。でももう...