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2394話

「席がないですね」と言って、二人は空きを待つため脇に座った。その間に、王鉄蛋は目を引く額に掲げられた看板を見つけた。そこには北京ダックの由来が記されており、やはり鳳鳴県の王家村から来たもので、汪氏の族長・汪長青が一手に創り上げ、百年以上の風雨に耐えてきたと書かれていた。

数分待つと、個室が空いたので二人は中へ入った。まずは炒め物を何品か注文して食べ始めた。二十分後、湯気の立ち上る北京ダックがようやく運ばれてきた。そのダックは見た目が豊かで、棗の赤色に輝き、油がしっとりと光り、皮はパリパリで中はしっとりとしており、色・香り・味すべてが揃い、見るだけで食欲をそそられた。

王鉄蛋は一口食べると、...