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174話

「あの緊張と困惑と恥じらいの表情、本当に愛おしいな」

私の手は上へと移動した。

そして、あるツボを押さえた。

「梅子、ここは『天突』。両方の鎖骨の間、胸骨の窪みが交差する部分にある。天突穴の主な治療対象は、しゃっくり、咳、嘔吐、神経性嘔吐、咽頭炎、扁桃腺炎、喉の病気だ。このツボは人体の任脈上の主要なツボの一つで、一般的に指圧法で咳を止める。覚えたか?」

私はそのツボを数回揉み押しした。

「覚えました」

「自分の手で触ってみて」

私は手を離した。

彼女は右手で自分のツボを押してみた。

私は上着を脱ぎ、「今度は私の『天突穴』を触ってみて」

彼女は起き上がり、手を伸ばして触れた。

「違う、ずれてる。...