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1699話

「何を言ってるの?あなた、嫌なの?」

「まあまあ、お姉さん、本当に分かってないわね」ここまで来たら、二香は実情を話さなければと思った。さもないと香蘭の誤解がさらに深まってしまう。

「何が分かってないっていうの?」

「鈍感ね。王さんが好きなのはあなただって気づかなかったの?」二香はにやりと笑った。

「何ですって?」香蘭は驚きのあまり口が閉じられなかった。

「王さんが好きなのはあなたよ、私じゃない!」二香はひとつひとつ言葉を区切って言った。

「もう、二香、適当なこと言わないでよ」香蘭は手で水をすくい、二香に向かって水しぶきを飛ばした。

「本当よ。もし早くあなたに教えていたら、きっと天...