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1584話

李龍海は煙草の吸い殻を捨て、こっそりと彼女の後をつけた。彼女がまた親戚を探しに行くのだと知っていたからだ。

李龍海は以前、彼女を手伝うと申し出たが、彼女は丁寧に断っていた。

文静は通りに出た。彼女の足取りはゆっくりとしていて、歩道を行きながら行き交う人々を見つめ、誰かを一生懸命探しているようだった。

彼女には特に目的地がないようで、ただ気の向くままに街を歩いているだけのようだった。

一時間以上経って、文静は県の南部に辿り着いた。この辺りは郊外に近く、住民のほとんどは出稼ぎ労働者で、人が多く地形が複雑で、良からぬ者も混じっており、しばしば強盗や喧嘩事件が発生する、県内でも治安の悪い場所だった。

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