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1583話

「真静が一緒に出て行ってくれたらいいのに。彼女にも恋の味を知ってほしいわ。そうでなければ、彼女の人生はあまりにも辛すぎる。あなたに出会わなければ、私だってそうだったかもしれないわね。あの時、私は死んでいたかも。もし——」真性はそこで言葉を切った。言いづらそうな様子だった。

「何を言おうとしてるんだ?」

「わ、私は…あなたが真静とも…仲良くなれたらって——」真性は顔を赤らめながら言った。

「気にならないのか?」

「あなたがどんな人か、今さら分からないことある?真静に優しくしてくれるなら、私が何を気にすることがあるの?」

「ふふ、単純に考えすぎだよ。俺とお前が一緒になれたのは、俺たちがい...