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1413話

「ねえ、ここでこいつを始末しちまえば、死人に口なしだ。そうすれば、お前も関わってないことになるぞ」

実はこの時、呉明貴も同じことを考えていた。だが彼はわざと言わずにいたのだ。富貴も巻き込んでおけば、同じ穴の狢になる。そうすれば後で奴らが口を滑らせる心配もない。富貴がそれを口にするのを聞いて、彼は内心で喜んだ。このくそ野郎、俺と同じく容赦ないな。

「ああ、言う通りだな。どうせこいつはいずれ銃弾を食らうんだ。わざわざ俺を巻き込む必要はない。いっそのこと夫婦そろって冥土で団欒させてやろう。人の縁を取り持つってやつだ。富貴、いい考えだ。お前は頭が切れると思っていたよ」呉明貴は薄気味悪く笑った。

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