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139話

私は慌てて退出した。

「李軍、李軍!」振り返って呼びかけた。

あいつは少し離れたところに立って、スマホを構えて撮影していたのだ。

そのとき、その女の子がようやく言った。「隣が男子トイレよ、間違えちゃったのね!」

私はやっと手探りで正しいトイレに入った。

出てきたとき、李軍が自分から言ってきた。「悪かったな、共用だと思ってたんだ」

私に何が言えるというのだろう?

部屋に戻ると、李軍はさっき撮った動画を全員に見せて回り、俺との冗談だと言い、本当に目が見えないのかを確かめるためだったと説明していた。

みんな楽しそうに笑っていた。他人の痛みを自分の喜びに変えるなんて。王小美だけが李軍を叱りつけた。

こ...