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1203話

どれくらい時間が経ったのだろう、男はようやく名残惜しそうに美女の唇から離れ、彼女の顔や首筋へとキスを移していった。

女性の両手は力なく垂れ下がり、男のキスが自分の顔に降り注ぐままにしていた。長い間、男性との親密な接触から遠ざかっていた彼女も、所詮は一人の女。強気な外見の下には、異性の愛撫を求める心があった。

表向きはこれは単なる取引に過ぎなかったが、実際には二人の間には心の繋がりが生まれていた。

男は心の高揚を抑えられなかった。この美女がついに自分に体を許してくれたのだ。彼は女性の額、眉間、まつ毛、鼻先、耳たぶにまで深いキスの跡を残していった。

張婷は目を閉じたまま、ふわりと言った。「...