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1088話

電話線は切断されていたものの、警報装置はまだ作動するはずだった。

王鉄蛋は身をかがめ、張婷から渡された鍵を取り出してロックに差し込んだ。二回ほど回すと、カチリという音と共にバネが緩んだ。

彼はシャッターの下部を両手で支え、ゆっくりと持ち上げ始めた。一寸ずつ、一尺ほど上げれば自分が潜り込めるだけで十分だった。

動きは極めて慎重で、同時に緊張で胸が張り裂けそうだった。力加減を均一に保ちながら、シャッターは滑らかに上へと動き、かすかな音しか立てなかった。通常なら数秒で終わる作業に、彼は丸五分もかけたのだ。

ようやく潜り込めると判断すると、シャッターの下部を支えたまま仰向けに寝転び、まず両足を滑り込ま...