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1063話

突如として、彼の足音が途絶えた。頭の中は乱れていたが、先ほど右側の暗闇で何かが二つの冷たい光を放っていたことに気づいた。

王鉄蛋は地下河を急ぎ足で進みながらも、目の端で右側に現れた二つの冷光を捉え、思わず足を止めた。

懐中電灯を先ほどの場所に向けると、瓦礫の山以外には何も見えなかった。だが、彼は間違いなく何かがそこにいたと確信していた。

周囲を照らしてみても、限られた光の中では何も見つからなかった。この辺りの空間は広すぎて、懐中電灯の光では遠くまで届かない。

少し躊躇した後、時間を稼ぐために進み続けることにした。

しかし数分もしないうちに、背後から「カラカラ」という音が聞こえてきた。...