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1062話

特殊部隊の生存訓練を受けた彼は、過酷な環境に再び生き抜く闘志を掻き立てられた。

冷静さを取り戻し、最も有利な判断を下し始めた。常識が教えてくれたのは、地下河に沿って進めば出口が見つかるかもしれないということだった。自分の判断では、今いる高さは山の外の地面とほぼ同じ高さ。つまり、地下河の行き着く先は地表のどこかの河につながっている可能性があった。

そこで彼は懐中電灯を照らしながら、再び地下河の流れに沿って歩き始めた。

判断はあくまで判断でしかなく、彼の心はやはり落ち着かなかった。自分が最後まで頑張れば、寺の人たちもきっと自分と如水、如香の失踪に気づくだろう。洞窟に入ったことは如烟も知ってい...