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106話

この老人は背が高く、体重も軽くはなかった。

私と妹は彼を背負うのにかなり苦労した。

「診療所に連れていくわ」と妹が言った。

そして、周りの人たちが道を開け、私は老人を背負い、妹の後に続いた。

この人は意識を失っていて、まるで酔っぱらったかのように死んだように重く、絶えず下に滑り落ちようとするので、私は何度も手で彼を持ち上げなければならなかった。

道行く人々は驚いた目で見ていた。

百メートルほど歩いただけで、私はもう息が切れ始めた。

私もかなり体力には自信があるが、この老人の重さは息もできないほどだった。しかも真夏の暑さの中、全身から汗が吹き出し、まるで水の中から引き上げられたような状態だった。...