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1008話

「嘘をついたわね」

「何を嘘ついたって?」

「薬草を採りに来たんじゃないの?なのにどうして何も持ってないの?背負い籠は?薬草掘りの鍬は?」真性は厳しい声で問いただした。

「あそこにあるよ。君がここにいるのを見かけて、ちょっと気になったから寄ってみただけさ。ほら、あの木の下、見えるだろ?」王鉄蛋の反応は素早かった。真性がその方向を見やると、当然ながら距離が遠すぎて彼女にははっきり見えるはずもなかった。

「あいっ」突然、王鉄蛋が声を上げ、両手でお腹を押さえてしゃがみ込んだ。

「どうしたの?」

「いてて、急にお腹が激痛で...」王鉄蛋が顔を上げると、苦痛に歪んだ表情を浮かべていた。「もしかしたら俺も...