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641話

「ただ、そんなチャンスはもう二度とないだろうな。録音のバックアップを残したのは、林嫣然を脅すためじゃない。

ただ自己防衛のためだ。もしいつか林嫣然が俺や文若娴に復讐しようとしたら、この録音を取り出して彼女にその考えを諦めさせるだけだ。

この録音を使って林嫣然に恥ずかしいことをさせようなんて考えたことはない。そんなのは俺の行動パターンに合わないからな。

本質的に言えば、俺は受け身の方が好きだ。それに、仮に脅したところで、林嫣然が拒否するかもしれないし、最悪警察に通報される可能性だってある。

だから賭けたくない。ただこの録音を何度も聞き返すだけで、またすぐに体が反応してしまった。

朝方、文若娴とす...