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630話

「ドアを開けると、林嫣然がきりりとした姿で立っていた。しかし、その顔には怒りが浮かんでいる。

「文若娴、あなたって本当に腹黒いわね!」林嫣然はほとんど歯を食いしばるようにしてそう言った。

その言葉を聞いて、文若娴はむしろ少し恥じ入った。結局、録音を用意したのは彼女ではないのだから、腹黒いという評価は当たらない。本当に腹黒いのは私だ。一人で校長も学校の教師たちもあざむいて翻弄したのだから、これはもう極めて腹黒いと言えるだろう。

「入って」文若娴は苦笑いした。

林嫣然は冷ややかに鼻を鳴らしながら入ってきた。ベッドの前でまぬけな笑みを浮かべている私を見て、特にある部分がまだ高々と突き立っているのを見...