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620話

眠っているうちに、突然太ももを誰かに摘まれたような感覚がして、私はすぐに目を覚ました。

もう目的地に着いたのかと思ったが、外を見ると、まだ県城には到着しておらず、バスは走り続けていた。

私は疑問に思いながら左側の文若嫻を見たとき、林嫣然の隣に、いつの間にか不潔な顔つきの老人が座っているのに気づいた。しかもその老人は彼女にかなり近づいて座っていた。

三人は最後尾の席に座っており、私が一番奥、隣に文若嫻、その外側に林嫣然という並びだった。

今、林嫣然は嫌悪感を顔に浮かべていたが、どうすることもできない様子だった。老人は彼女に寄り添うように座っていたものの、直接手を出して彼女に触れてはいなか...