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615話

「どうやら、急いでるみたいだな!」と趙成才は言った。

「あ……ま、まだよ。ここの物があまりにも多くて散らかってて、すぐには見つからなくて」鄭雪雲の声は少し震えていた。

「じゃあもう少し探してくれ。お前、声どうしたんだ?」趙成才は不思議そうに尋ねた。

「な、なんでもないわ。この箱はベッドの下にあって、取り出すのに……ちょっと力がいっただけ」鄭雪雲の声はまだ震えていた。

「そうか。じゃあ悪いな、嫁さん。見つかったら今度は李徳柱からもっと金を取ってやるからな。くそっ、もしかしたらこれが最後の稼ぎになるかもしれないがな!」趙成才は悪態をつきながら電話を切った。

やっと鄭雪雲は大きく息を吐いたが、体の...