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596話

彼は本来なら自分で村の入り口まで行ってお金を届けるつもりだったが、ここから村の入り口までかなりの距離がある。それなら私に代わりに行かせた方がいい。

どうせ私はのんびりとした馬鹿だけど、仕事はまじめにこなすし、何か問題が起きることはないだろう。

そこで彼は咳払いをして、「李さん、韓兄さん、ご飯は食べましたか?」と声をかけた。

二人が返事をすると、彼はうなずいて「じゃあ、韓兄さん、ちょっと頼みがあるから、こっちに来てくれないか」と言った。

李徳柱は私を脇に呼び寄せると、五百元を紙で包んで私に渡した。「韓兄さん、このお金を村の入り口の診療所に届けてくれ。急いで行かないと、もうすぐ閉まっちまう...