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58話

「于茜を救い出せただけでも十分嬉しいことなのに、お礼なんてとんでもない」

私は何度も断りの言葉を口にしたが、于茜はついには諦めて電話越しにこう言った。「阿立、じゃあまずは会って話し合いましょう。どうしてもあなたにお礼がしたいの」

その言葉を聞いた瞬間、私の心は高鳴った。于茜のあの艶やかな小柄な体を思い描くのは、もう一日や二日のことではなかったのだ。

今日は、大きなチャンスがありそうだ……

于茜との待ち合わせ場所は、もちろん私が指定した我が家だった。

「阿立、お礼をさせて。本当にお礼がしたいの。あなたがいなかったら、私はもう生きる勇気さえなかったかもしれない。本当にありがとう、あなたは...