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490話

「昨晩、甥の嫁に連絡したんだ。今日大学に戻るから会える時間があるかって聞いたんだけど」

彼女からは相変わらず返事がない。

あの日のホテルでの一夜の狂気の後、彼女はもう二度と連絡をよこさなくなった。

それが少し不安で仕方がなかった。

「カンさん、このカレークラブ美味しそうですね。海鮮は大丈夫ですか?」

周淑敏が興味津々に尋ねてきた。

「ああ、何でも食べられるよ」

笑顔で答えていると、突然スマホが震えた。

画面を見ると、なんと甥の嫁からのビデオ通話リクエストだった。

狂喜しながらも、周淑敏の様子をちらりと確認する。

幸い彼女は店員と注文の話をしていたので、私は立ち上がって店の外...