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477話

「以前確かに直したことがあるんです。あの時、私たちの学校のプリンターが壊れて、それも私が直したんですよ」

私が言ったのは事実だった。あの時、いとこの甥の事務所のプリンターが壊れて、彼は急いで印刷物が必要だったのだが、外は豪雨が降っていて、夜遅くということもあり、プリンターがある他の場所はすべて施錠されていた。

やむを得ず、いとこの甥は藁にもすがる思いで、私にプリンターを見てもらい、直せるかどうか試してみるよう頼んできた。

当時、事務所に行った私も途方に暮れていて、片手でスマホを使って原因を調べながら、もう片方の手でスマホの修理手順を確認しつつ、少しずつ探っていった。

幸い、最終的には本...