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46話

その後、私は于茜を更衣室に連れて行き、自分の服に着替え、于茜にも外套を羽織らせて目立たないようにし、二人で裏口から逃げ出した。

道中、私は于茜の手をしっかりと握りしめていた。まるで無言の約束のように。できることなら、この手を一生離したくないと本気で思った。

于茜も、この大きな手は少し荒れているけれど、限りない安心感を与えてくれると感じていた。

心臓がドキドキと乱れ打つ。恐怖や緊張からなのか、それとも興奮からなのか分からない。とにかく二人の間には目に見えない橋が架かったようで、今回の出来事は二人の間の信頼関係の要となった。

必死に走り続け、ようやく走れなくなって立ち止まった時、気がつけば...