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167話

「写真の腕がいいと聞いて来たんだ」と、その男は長々と前置きせず、率直に言った。彼は私に同行して撮影してほしいと言い、報酬については相談に応じるとのことだった。

男が要件を話し終えた瞬間、私の頭には趙青山と于茜のことが浮かんだ。あの時も趙青山が店に訪れ、于茜のプライベート写真を撮るよう依頼してきたのだ。

今回の状況も、どう見ても似ているように思えた。

唯一違うのは、この男が私自身の機材を持って撮影に行くよう求めてきたことだった。彼の手元にはそれほど decent な機材がないらしい。

本来なら面倒事に首を突っ込みたくなかったが、商売が上手くいっていない以上、金は稼がなければならない。それ...