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165話

十万円を手に入れた最初の瞬間、私は張紅雪を探そうと思った。

心に負い目を感じるようなことは特にしてこなかったが、唯一の例外は拾った財布から十万円をこっそり着服したことだった。だから一刻も早くこのお金を返して、自分の心の負担を軽くしたいと思っていた。

そうでなければ、この一件がずっと心に引っかかり、どうしても息苦しく感じてしまう。

おまけに、もし容疑者が捕まって、その人がこの十万円の支払いを拒否したら...。張紅雪が調査の手を私に伸ばしたとき、どう弁明しても通じなくなるだろう。

張紅雪の連絡先がなかったので、すぐに安全局へ問い合わせに行った。張紅雪がまだ前の都市で事件の捜査を続けていると知り、私...