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1550話

この冷静な私の態度に、高平はかえって戸惑いを見せ始めた。背後に隠れているその手が私のものであると、彼はますます確信しつつあるようだった。

二人は互いに心の中で疑問を抱きながらも、口には出さない。むしろお互いを見つめる目には、わずかな探りの色が宿っていた。まるでどちらも先手を打とうとしない様子だった。

ついに、おそらく後ろめたさからか、高平が我慢できなくなったようだ。彼は軽く咳払いをして背筋を伸ばし、ゆっくりと私の側に歩み寄ると、小声で話し始めた。

「今日、君の恋人を連れてきたのは確かに俺の非だ。だが今からでも話し合おう。恋人を連れ戻す機会を与えよう。過去の俺たちの間の問題も帳消しにしよう...