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152話

見に行かなきゃ、と思うものの、何玲は心配そうに私を連れて行くしかなかった。ただし、何度も念を押して、絶対に騒ぎを起こさないようにと言われた。

正直、私も自信がなかった。見たいという気持ちはあるが、見つかって殴られるのも怖い。かといって、ここまで来て見ずに帰るのも悔しい。

エレベーターに乗り込むと、私の呼吸はほとんど止まりそうだった。まるで自分の息づかいさえ人に気づかれるのではないかと、必要以上に神経質になっていた。

10階に着くのを少しでも遅らせようと、エレベーターの全フロアのボタンを押してしまった。

だが押した直後に後悔した。今度は逆に到着が遅すぎると感じ、梅芳に早く会いたい焦りが湧...