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1517話

「さすがは私が目をつけた女の子だ。本当に凄いね。今回は君のおかげで、こんなにも早く陸川の狐の尻尾を引っ張り出すことができた。君がいなければ、絶対に無理だったよ」

秦麗は再び私の触れる感覚に心が揺さぶられ、気持ちが一変した。彼女はぼんやりと私を見つめ、その瞳には愛情の色が滲んでいた。そしてゆっくりと自分の手を私の手に重ね、そっと上へと撫でた。その湿り気を帯びた感触に、私の胸が小さく高鳴った。

二人の間に漂う濃密な愛情を、傍らにいたニット帽の女性が一目見るなり、心中穏やかでなくなった。

彼女は思わず咳払いをして、二人を現実に引き戻した。二人は即座に飛び離れ、少し気まずそうに互いを見つめ、頭を...