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1484話

「つまり、蕭楚はなんと高平の汚職の証拠を手に入れるために、自ら進んで色仕掛けをしたというのか!」

私は驚きで目を見開いた。彼の印象では、蕭楚はどれほど伝統的な女の子だったことか。色仕掛けなどという口にするのも憚られることはおろか、一般的な男女の愛さえも、彼女は望まないように見えていた。

ただ思いもよらなかったのは、こんな純粋で優しい女の子が、自分の役に立ちたい、恩を返したいという一心で、普段なら最も軽蔑するようなことを、自ら進んでやろうとしていたことだ。

しかも高平はれっきとした既婚者なのだ。

このような蕭楚に対して、私は何一つ言葉が出てこなかった。あるのは心からの後悔だけだった。自分...