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1300話

「ハンおじさん、あなたですか?どうしてここに来られたんですか?」という甘い声が、まさにその千載一遇の瞬間に、私の背後から聞こえてきた。

振り返ると、雪ちゃんという少女だった。

彼女はいつものように真っ白な巨大な犬を連れ、にこにこと笑いながら私の方へ歩いてきていた。

門番たちは小雪のことを知っているようで、彼女とはかなり仲が良いらしく、彼女が来るのを見て、自ら挨拶をした。

「お兄さんたち、このおじさまは私の家に招待したお客様なの。さっきママが、おじさまを玄関までお見送りするように言ってたんだけど、うちの犬がいたずらで走り出しちゃって、追いかけてる間におじさまが道に迷ってしまったみたい」

小...