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1201話

「これは君へのプレゼントなんだよ」と彼は興奮気味に告げると、テレビ台を移動させ、壁に隠された扉を開け、中に整然と積み上げられた現金を指さした。

「ほら見てごらん……ここに300万ある。君を贅沢三昧させてあげたいんだ」

さらに彼は赤い表紙の冊子を取り出し、彼女に見せた。

王婉芳は一目見て、それが不動産権利証だと分かった。所有者の欄には「王婉芳」という三文字がはっきりと記されていた。

林志権は帰る前に彼女に十分休むよう言い、明日は民政局へ行く準備をするよう告げた。

翌日、二人は民政局に到着した。

彼らが来るのを見ると、一人の人影が民政局の入口から急いで駆け寄ってきた。へつらうような笑みを浮...