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1186話

私は無力に頭を振り、ティッシュを取り出して王婉芳の口元を拭いた後、鼻をつまみながら嘔吐物の入った盆をトイレへ持っていき、便器に流し込んだ。

戻ってくると、部屋に漂う酸っぱい腐敗臭に思わず眉をひそめた。

こんな具合に中断されてしまうと、一気にやる気が失せてしまう。ベッドで眠る女を見つめながら、黙って煙草を取り出して一本火をつけ、ベッドの縁に腰掛けて考え込んだ。

「俺はさ、これじゃあ何をやってるんだ?」

「家内が亡くなってから、自分の心がどんどん汚れていく。手綱を振り切った野生の馬みたいに、ますます落ち着かなくなって。十代の未成年の娘にも手を出し、人の奥さんである若妻にも手を出し、今や他人の嫁さん...