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1155話

長年人の手が入っていなかった家の裏手は雑草が生い茂り、穴の入り口を覆い隠していた。

私はその場に立ったまま、胸の内では既に欲望が抑えきれなくなっていた。この数年間、女房が亡くなってからというもの、女性に触れたことすらなく、ましてやあんなことなど論外だった。

林語菲の出現が、私の心の奥底に眠っていた欲望の炎に火をつけてしまったのだ。

長年心の中で抑え込んでいた衝動をもはや制御できず、私は身をかがめて雑草をかき分けた。すると案の定、壁に大きな穴が開いていた。

トイレの光が漏れ出し、水の音が一層鮮明に聞こえてきた。

私は急いでしゃがみ込み、実に下劣な格好で壁に顔を寄せ、中を覗き込んだ。

一目見ただけ...