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895話

「閣下はそこまでする必要はありませんよ。尚昊はどんな状況でも道門に手を出したわけではありません。それに、尚昊は衆仙大戦の聖器組に参加する資格を持っている身。もし彼がここで命を落とせば、閣下のお立場でも域主に説明がつかないでしょう」

尚無心の言葉には冷静さと落ち着きが満ちていた。彼は一旦言葉を切り、意味ありげな笑みを浮かべた。「それに域主は閣下の存在に必ず強い興味を持っているはず。ですから、こんな微妙な時に余計な事をする必要はないでしょう」

尚無心のこの言葉に、見物していた仙人たちは思わず頷いた。この黒衣の老人は尚家の兄弟よりずっと落ち着いている。だが仙人たちが気になったのは、黒衣の老人が尚...