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877話

その日、一人の仙人が音もなくモン・イーの勢力圏へと向かっていた。

安春郡、その配下の'景寿鎮'。

景寿鎮は安春郡から最も近い町であり、外界から安春郡へ来る地仙たちの中継地点として、多くの仙人が必ず通る場所であった。

道門が建設された場所も、まさにこの景寿鎮であった。

道門の設立に伴い、かつて張浩然に従って雲笈山へ来た仙人たちが四方から集まり、張浩然の道門設立を手伝っていた。さらには道門とは無関係の仙人までもが遠方から訪れ、見学に来ていた。

景寿鎮、道門の内部。

張浩然はモン・イーと話し合っていた。今の張浩然はもはや真元で顔を隠すことなく、素顔をさらけ出していた。

モン・イーは笑みを浮かべて言っ...