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854話

この地仙は記名池の前に立ち、冷静を装いながら深く息を吸い込み、指先から霊気と真元の混ざった波動を放った。

記名池の水底にある晶石が突然色を変え、赤い血の色と黒い沈戈府の印が次々と現れた。

「捕まえろ!」

記名池で登録審査を担当していた護衛の言葉が終わるや否や、二人の部下が飛びかかり、その地仙を捕らえた。左右の手にそれぞれ聖器で拘束し、地仙が逃げられないようにしていた。

このとき、谷凡と張浩然が神識で伝えた。

「首領、登録担当の護衛は『晋暁』といいます。あの地仙が問題を起こしたのは、官府に追われている仙人だからでしょう」

谷凡の言葉が終わるか終わらないかのうちに。

「何をするんだ!どうして私をこ...