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833話

張浩然が戦場から消え、遠くで見ていた胤中傑は張浩然が天赤法陣に滅ぼされたと思い、満足げな笑みを浮かべた。

「違う」胤中傑の表情が一変し、神識を展開したが、微かなエネルギーの波動すら感じられなかった。

本来なら張浩然は天赤法陣の威圧に抵抗し、エネルギーの波動を生じるはずだが、胤中傑はそれを感じ取れなかった。

つまり、張浩然は抵抗せずに殺されたということか?

以前なら胤中傑もそう考えたかもしれないが、今はそうではない。張浩然の神秘的な剣法は喉に刺さった魚の骨のように胤中傑の喉に引っかかり、数千年の修行の中で、これほど手強い相手に出会ったことはなかった。

天赤法陣の中に、張浩然の気配はない...