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791話

銭楽は殺気立っていた。本来なら張浩然を殺す気はなかった。面倒くさいからだ。銭楽は聚丹期大成の地仙であり、天才ランキング第九位。仙石による潜在能力評価では、将来確実に仙界第三域に進出できる天才だった。

しかし、卓光のパフォーマンスを見て、銭楽は黙っていられなくなった。

卓光は天才ランキング第八位。二人は天鳳郡の太子鎮力神族と雍禾鎮飛狼院の出身で、紛れもないライバル関係にあった。

飛狼院と力神族は、元々仲が良くなかった。

だから卓光が一撃で八千点の擂値を叩き出した時、銭楽は嫉妬心に駆られた。彼の手にある剣は二階聖器で、化丹期の地仙に適したもの。力神族の高位の長老から与えられたもので、力神族が...