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755話

大皇子の口にした金仙先輩とは、まさに胤山が血脉神通「地仙天降」で召喚した金丹地仙の胤九天であった。

「まさか、皇室がこのような状態になるとは」黒い袍をまとった胤九天が言った。「紫府真仙にも至らぬ小物一人に、皇室がここまで追い詰められるとは、実に失望させられる」

大皇子は頭を垂れ、反論する力もなかった。

胤九天が現れてからの半年間、彼は大皇子の期待通りに東海へ赴き道門を壊滅させ張浩然を殺すことはなく、ただ将軍府邸に腰を据えていた。

大皇子が胤九天にいつ出発するのか尋ねるたび、返ってくる返事は皇室への嘲笑と失望ばかりで、大皇子は何も言えなくなった。

「もし地仙先輩が道門へ行きたくないなら...