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646話

「あなたは誰?」十翼天使の一人が徐晴に質問が向けられているのを見て、すぐに声を上げた。徐晴を守るような態度だった。

「張凡だ」張浩然は淡々と答えた。

「誰だろうが知ったことか」その十翼天使は鼻を鳴らした。「でも、もし私のことを知りたいなら、喜んで名前を教えてやろう。洛尚だ」

張浩然はそれに微笑むだけで、この洛尚という十翼天使と言い争うのは面倒だと思った。

「張凡だって?」十翼天使たちは顔を見合わせた。聞いたことのない名前だった。

突然、一人の十翼天使が思い出した。

「張大師という修行者が臨州を離れ、海を渡って揚州へ向かったという噂があったが、もしかしてお前か?」その十翼天使の表情は一変し、警戒...