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630話

秦乙洋は遠くの東海に広がる恐ろしい光景を見つめ、もし本当に追われて東海に逃げ込むことになったら、それは正気の沙汰ではないと思った。

すべては自然の流れに任せるしかない!

秦乙洋は窍穴宝洞の羅王の宝気を感じ取る修行を続けた。

張浩然は相変わらず剣を舞っていた。

待つ時間は退屈なものだ。

二日後。

張浩然と秦乙洋は同じ方向を見つめていた。

「張大師、海潮の嵐がどうも様子がおかしい」秦乙洋の心に不吉な予感が浮かんだ。

張浩然もそれを感じ取っていた。

海潮期が終わるまであと七日。しかし今、海潮に変化が生じていた。黒く積み重なる雲の塊には羅王の宝気が満ちあふれ、混沌として、人の心を恐怖で締め付けた。

張...