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60話

空は澄み渡り、窓の外の木々が視界を横切っていく。

張浩然が思い出していたのは徐栄盛の言葉だった。

徐栄盛があの書物について語った時、張浩然はすでに理解していた。

古代から伝わるその書物には、特殊な元気の禁制が施されており、一般人には見えない。その元気の禁制を解く方法は、血祭りが必要だった。

普通の人間なら自分の血を古書に滴らせたりはしないが、徐勝男はたまたま血を垂らしてしまい、それによって古書が主を認めたのだ。

「あの古書は実際には古器だ。特殊な古器ではあるが、攻撃も防御もできない。古書に書かれていたのは、他の古器の在り処や位置だったんだ。だから徐勝男が無断で去ったのも納得がいく。他の古器を探...