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598話

謝迪は死んだ。

奚家分部総管の奚名仕と、皇室の婿である薛有言の目の前でだ。

七盤山の洞口から恐る恐る覗いていた冉応龍たちは、目をこすり、張浩然が無事に立っているのを確認して、ようやく胸を撫で下ろした。先ほど張浩然と謝迪が戦った時、謝迪は稀有な法器「巻虹鉤」を使い、勢いは虹のように鮮やかだった。

冉応龍は五品半仙であり、錬器世家の弟子として、巻虹鉤の威力が侮れないことを知っていた。

しかし張浩然は、その巻虹鉤を軽々と掴んでみせたのだ。

それだけではない。張浩然が天の雷を呼び寄せ、長剣に落とす様子も、冉応龍を深く震撼させた。

桂書峰とその部下たちは目を丸くして呆然としていた。

冉楓は以前に張浩然が...