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594話

冉応龍は冉家本族の決定を話し終えたが、張浩然が驚いた様子を見せないことに気づいた。

張浩然は言った。「私が冉家本族に来てもう半月になりますが、七盤山が奚家分部に奪われた件について、冉家本族はとっくに決断できたはずです。なぜ今になってようやく返答をくれたのでしょうか?」

当事者は物事の本質が見えないもの。冉応龍はハッと悟り、顔に失望の色が浮かんだ。

「張大師、あなたの言わんとすることが分かりました」

「冉家本族はきっと奚家と、裏で何らかの協定を結んだのでしょう。だから私たちに七盤山を明け渡せと」

冉応龍は辛かった。二十年前、彼は冉家本族の命令で臨州へ鉱物資源の採掘に向かい、偶然七盤山を...