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585話

「記録石」は石の中に刻まれた符文の力を頼りに通信を行う。

一つの記録石は三つの記録石と繋がることができ、秦露が張浩然に贈った記録石が突然反応したということは、誰かが彼に映像を送信してきたということだ。

張浩然は真元を使い、記録石の表面にある指型の窪みに軽く触れると、記録石が微かな光を放った。

記録石の上方、半丈ほどの空間に一つの映像が現れた。

映像の中には、一軒の私邸があり、その後方には青々とした森が広がり、時折、滝の音が聞こえてきた。

張浩然は眉をひそめた。映像は青羽門のようであり、しかも滝があるのは秋風院だけだ。

誰だろう?

張浩然はふと一人の人物を思い出した。秦露の友人、冉杰だ。

冉杰は...