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583話

数十人からなる秦家の一行が虚空を踏みしめながら姿を現した。

先頭に立つのは中年の男、眉間に鋭い気が閃き、落ち着いた眼差しで、手には一本の長い笛を握っていた。真元が笛の穴から噴き出し、悠長で連なる笛の音を奏でていた。

この人物こそ、秦家の練気真仙、秦威だった!

秦威の後ろには、数十名の秦家の真仙たちが続き、それぞれが姿勢も優雅で、気迫に満ちていた。

そして秦威の傍らには、一人の赤い衣装を纏った女性が立ち、しなやかな体つきをしていた。

赤衣の女性は緊張した表情で無踪崖を見つめ、誰かを探しているようだった。ようやく目当ての人物を見つけると、女性はほっと息をついた。その国をも傾ける美しさを持つ顔に、よ...