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582話

青羽門、無踪崖。

成山峻嶺、奇岩絶壁。

無踪崖上で大戦が繰り広げられ、その外側から一人の人物が猛スピードで飛来していた。

その者の身には金光が煌めき、あまりの速さに金色の護りの外側から火花が四方に散っていた。通り過ぎる場所では、真下の樹林が強大な真元によって粉々に砕かれていく。

「無知な張凡め、よくも我が周家の者を殺そうとしたな!」

その者は怒りの声を上げ、手には三日月形の弓矢が現れた。弓は全体が烏金で作られ、人の魂をも奪いかねない威圧感を放っていた。

矢を番え、放つ!

黒い矢が空を切り裂き、万鈞の力を持って山をも動かさんばかりの勢いで無踪崖上空を目指した。

その時、無踪崖の上方では。

張浩...