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557話

泉陽郡。

烈火鎮。

烈火鎮は泉陽郡から百三十里離れており、道のりは必ずしも良くない。一般人が馬車で烈火鎮に向かうとなれば、少なくとも六時間はかかるだろう。

半仙ならば速い。それぞれが神通法術を駆使すれば、泉陽郡から烈火鎮までほんの半時ほどで到着できる。

今、烈火鎮には一人も人影がない。巽風火鳥が来襲した時点で、この地の民は既に慌てふためいて逃げ出していた。

烈火鎮の縁辺部に、二つの人の群れが離れて立っていた。

一方は真武門からの六人の半仙たち。その中の一人は腹部から血を流し、顔色は真っ青で、元気を大きく損なっていた。他の五人はそばで法器を使い、負傷者の容態を安定させようとしていた。

もう一方は...