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552話

郡王府の中にある、六つの黄級炉鼎が置かれている場所は、「志璞屋」と名付けられた部屋の中にあった。

志璞屋の中には、六つの黄級炉鼎の他にも様々な薬草が置かれ、部屋の中の温度は暖かく、心地よいものだった。

護衛が扉を開けると、数人が次々と中に入った。

張浩然は四方を見渡した。志璞屋はかなり広く、假山や花草も配置されており、一見すると修行に使われる福地のようだった。

瞬時に、張浩然は理解した。

朗坤は封穴丹を服用して平南郡王となったが、彼の心の奥底には、まだ修行への憧れと未練が残っていたのだ。

朗坤が口を開いた。

「以前、私はいくつかの奇遇により、志璞洞穴という修仙の福地を訪れたことがある。そこで私...