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500話

メキシコ、原始林。

地表から千メートル近くの深さ、まるで別世界のような場所。

ここには豪華絢爛な建物群が立ち並び、地下には太陽の光が届かないため、それぞれの建物の頂上には明珠が輝いていた。

家々はあるが、人の姿は一人もない。

周昆冬はガラス瓶を握りしめていた。中には韋三林の心臓が入っている。

「周昆冬、私の言った通りだろう」ガラス瓶から韋三林の興奮した声が響いた。「これほど長い年月をかけて、ようやく天下五絶の一つ、マヤ文明の真の姿を見ることができたんだ」

周昆冬はこの静寂の通りを歩いていた。韋三林の教えた方法で、二人はマヤ文明の真の所在地に入ることに成功したのだ。だが韋三林は小さくない代償を払...